食事ワンポイント[12] [健康]
7.スポーツ選手のための栄養プログラム(4)
~プログラムの実例~
プログラムの実例を示します。
●ケース1
女性フィットネス・インストラクター(35歳)
[プログラム開始時の状況]
6カ月後のコンテストを控え、本人は減量を最大の課題としていました。食事の内容と食習慣、体脂肪率と組織量のチェックと血液検査を行った結果、カロリーのとりすぎを気にするあまり炭水化物の量が少なすぎ、明らかなビタミン、ミネラルの欠乏が認められ、鉄欠乏性貧血の状態でした。
また、本人が常に疲労・倦怠感、腰と膝の痛みを訴えており、爪のもろさにも悩まされていました。
そのためコンディションの維持・向上を基本方針に、食生活の改善とサプリメントの投与により問題解決を図ることにしました。
[具体的プログラム]
1.摂取カロリー制限
開始~2カ月目:2,000 kcal
3カ月目:1,800 kcal
4カ月目:1,600 kcal
5カ月目:1,500 kcal
6カ月目:1,200 kcal
2.PFC比(たんぱく質:脂肪:炭水化物)
開始~3カ月目:20%:20%:60%
4~6カ月目:25%:10%:65%
3.高単位サプリメント投与
ウーマンズ・チョイス 1パック (夕食後)
B-50コンプレックス 1錠 (朝食後)
C-1000コンプレックス 1錠 (朝食後)
Eー400 IU 1錠 (朝食後)
オイスターシェル・カルシウム 1錠 (朝食後)
プロテインプラス 1錠 (毎食後)
[結果]
減量に関しては組織量を維持したまま体脂肪だけを落とすことに成功しました。摂取カロリーは減らしながらもビタミン、ミネラルを確保することで、6カ月間を通じてトレーニングのマックス値は上昇を続けました。
腰と膝の痛みに対しては、組織を強化し、酸化を防ぐことで細胞の老化を防ぐといわれているビタミンCとEを通常の2倍投与した結果、痛みは大幅に緩和されました。また、ビタミン、ミネラルの投与により爪のもろさも解消しました。
疲労・倦怠感については自覚症状の面でかなり改善され、発汗量、尿の量、回数が増えたことから代謝がアップしたことも明らかで、全身状態が良くなったものといえます。これは、血液検査結果で鉄の欠乏状態が解消され、肝機能、腎機能が激しいトレーニングや低カロリー食にも関わらず改善されたことからも裏づけられています。
高単位サプリメントについては後述する。
恩讐の彼方に [読書]
大正8年(1919年)1月に発表された菊池寛の短編小説。
主人公の市九郎は、主人である中川の愛人と密通していたことがバレて手打ちになりそうとなる。しかし逆に主人を殺してしまい逃げ出す事になる。
その後、市九郎と一緒に逃げたお弓とともに峠の茶屋を始めるが、実は茶屋に寄った客の懐具合をみて、金持ちならば殺し、その金品を盗む生活を送っていた。ある時そんな生活とお弓に嫌気がさし市九郎は逃げ出す。
その後、後悔の念から出家し旅にでる。難所の岩場を通過する時、事故で亡くなった人を見、懺悔のために、その岩を掘削してトンネルを掘る決心をする。
その後、掘削を始めて19年、敵討ちのために旅に出た中川の息子が、とうとう市九郎を見つけ殺そうとする。素直に殺されようとする市九郎であったが、石工たちはこれを止め、トンネルが開通するまで待つこととなる。
さらに1年6ヶ月が過ぎ去り、とうとうトンネルは開通した。そして殺されようとする市九郎であったが、この時既に、トンネル堀工の仲間となっていた中川の息子は、殺す意思は無くなっており、トンネルが完成した事に一緒に感動し涙を流すのみであった。
前半は、市九郎の残忍さが強調され、ヒドい人間として描かれる。
しかし、無心にトンネル掘削を行う彼の姿から応援する気持ちが芽生えてくる。そんな気持ちを代弁するかのように村人達の気持ちを描いている。そしてトンネル完成を共に喜び涙する気持ちに同調できるようになった