食事ワンポイント[5] [健康]
5.スポーツ選手のための栄養プログラム(2)
~スポーツ選手の食事の傾向~
スポーツ選手の食事には共通して次のような傾向が見られる。
高たんぱく、高脂肪、低炭水化物食
総摂取カロリー不足
食品群と食品のかたより
ビタミン、ミネラル不足
短い食事時間
食事抜き
最近の手軽な食品には明らかに脂肪が多く含まれており、コンビニエンス・ストア、スーパーなどで売っている惣菜は揚げ物の類が非常に多く、カップ麺、菓子パン、調理パンにも脂肪が多く、保存料や防腐剤なども含まれています。
スポーツ選手にとって必要とされているたんぱく質の所要量は1日に体重1kgあたり約2gで、その量は通常の食事で十分にまかなわれています。逆に動物性たんぱく質にかたよったり、とりすぎたりすることで内臓への負担を大きくし、それが疲労感、倦怠感をもたらしているケースも少なくありません。
たんぱく質を構成しているアミノ酸は分解されると血液を酸性にします。その結果、それを元の状態に戻すため骨からミネラル、特にカルシウムが溶けだして調節します。
また、たんぱく質の分解は水分の排出を促すため、溶けだしたミネラルも一緒に排出してしまうため、たんぱく質のとりすぎはカルシウムの不足をもたらします。
また、アミノ酸に含まれる窒素からアンモニアが生成され、尿素になります。
一方、筋肉と肝臓にどれだけ効率よくグリコーゲンを貯えられるかということがスタミナに直結しているため、グリコーゲンのもととなる炭水化物が不足すると明らかにスタミナ不足になります。1日2時間の激しいトレーニングをする場合、消費された筋肉中のグリコーゲンの回復には糖質のカロリー比が70%になるような食事が有効であると認められています。